『油かす』とは牛や馬の腸を熱して食料用の油や馬油を取り出した後の残り(カス)です。
大阪の南河内地方ではこれを食品(食材)として利用しているそうです。
大阪に生まれ住んでずいぶんとたちますが、『油かす』を知ったのはつい最近のこと。
60年以上、その地方で暮らしている親戚がいるのですが、(近くに油かすを売ってる有名なお肉屋さんがあります)『油かす』の話をしたら、「なにそれ?」って言ってました。
ごくごく一部の地域しか利用されていなかったのでしょうか。
というわけで、油かすについてちょこっと解説した後、どんな料理に合うのか話してみたいと思います。
油かすってこんなもんよ
味はどんなものかというと、肉の脂の甘さを凝縮した感じかな? 外側の茶色い部分はカリッとして香ばしく、内側の白い部分は脂の塊って感じですね。
見た目と違って獣臭くないです。料理に少し入れるだけで、コクと深みが増します。
▼ うちの近所のスーパーで買いました。2年ぐらい前は100g800円近くしていたのですが、ちょっと落ち着いてきたのか100g498円でした。(2017/7/10の話)
これで72g359円でした。
硬いですが包丁で簡単に切れます。熱を加えるとすぐに柔らかくなります。
いつものと違って、グニャッとした弾力のため薄く切れませんでした。本来ならこれの半分ぐらいの薄さにしてます。
使いやすいように切り分けして冷凍庫にでも入れておけば、長持ちしそうです。
どんな料理に合うのか?
人それぞれなので、私的には…
- うどん
これが油かすと一番合います。作るときに出汁を少し薄くしてます。 - お好み焼き
クリーミーな感じにコクが出ます。 - たこ焼き
タコを使わない時に、油かすを粉々に砕いて生地に入れています。砂ずりとかこんにゃくの具で作るときによく合うと思います。
しかし、タコと一緒に入れると、タコから出るダシの旨味を消してしまいます。 - 野菜炒め
味覇(ウェイパー)がない時に醤油と油かすで炒めます。 - 焼きそば
夜店の焼きそばみたいにパサパサした感じのものの方が合うと思います。
くどくなるので入れすぎに注意!です。どの料理も1人前4〜5切れまでが限度かな。そして、毎日毎日使うと飽きてしまうのでほどほどにしておいた方がいいでしょう。
そして、私にとって意外に合わなかったのは、
- ラーメン
インスタントラーメンに入れてみたのですが、ラーメンのスープの油と油かすの脂が絡み合ってゴテっとした感じになりました。
ただし、自分でスープから作るような人は上手に使えば面白いかも?
※『くどい』とは、しつこい、うるさい、あっさりしていないという意味です。
大阪名物かすうどん(最近登場)
大阪市内の飲食街を歩けば、『かすうどん』を見かけるようになりました。本当にここ数年の話だと思います。私が気にもとめていなかっただけかも?
おそらくほとんどの『かすうどん』は、『素うどん(かけうどん)』に油かすが入ってるだけです。
だいたい一杯600円前後かな?正直高いですね。きつねうどんが一杯300円から食べられるのに、これはボッタクリです。
自分で『かすうどん』をつくってみました
- うどん玉、粉末出汁、ねぎ、油かす4〜5切、水
私が調理するときの油かすを入れるタイミングは、まず半分だけ出汁をとるために入れ、残りを出来上がり1分前ぐらいに投入します。
まあ適当です。
調理時間は7〜8分です。水道ガス抜きで100円以内で作れたんじゃないでしょうか。
油かすが5切れと少なく感じますが…これで十分です。お店のかすうどんでもこれぐらいしか入っていないと思いますよ。(これより少ない店の方が多い)※量や具材はお店によりけりのようです。訂正します。
これ以上入れると、くどくなります。『もったいない』だけです。
そして、油かす以外の具材がネギだけです。ケチっているのではなく、これ以上いろんな具材を入れると、味がやかましくなるからです。
しかし今回は使ってませんが、きのこ類だけはよく合いました。
味はというと、出汁がうまい。って感じです。
ネギの切り方が下手くそ…包丁も研がないと。
総 評:飽きることも…
とにかく料理にコクが出ます。ただし、飽きないようにたまに使うのがいいかな。