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【第八回】HONDAのスクーター『ADV160 』インプレ:走行編【バイク】

ADV160

ADV160を納車!して慣らし運転が終わりました。ホントに楽ですね。乗ってて楽しいし。

そういうわけで、まだそれほど走っていませんが、ADV160の走行について良いところとそうでないところがざっくり見えてきたので軽くインプレしてみたいと思います。

使い勝手が良すぎるロードバイクでした!

▼『装備編』についてのインプレはこちら。

この記事の内容

ADV160はどんなシチュエーションでも乗りやすい

豊郷町
ADV160は扱いやすい車体なのでアニメ「けいおん!」の聖地も楽に安全に楽しく走れる。

ADV160の第一印象は、ライダーの意のままにキビキビひらひらと走行できるということ。

街中では、信号待ちや交差点の右折待ちからの発進がスムーズかつ加速力も十分あるのでもたつきません。また、交差点での右左折もハンドリングが軽く曲がりやすい。

アップダウンの激しい山道では、スクーターということがあまり気にならず、それほど不安なく突っ込んでいける。足首で真ん中のフレームをグリップしなくても安心して曲がれます。

アクセルを多めに回しても車体がしっかり受け止めるので不安が少ない。ただし、車体を傾けすぎるとセンタースタンドを擦るかも。

ADV160は、わたしのような腕前がイマイチな人でも乗りやすいから意のままにキビキビひらひらと走れてしまう。

おそらく、それほど大きくない車体(全長1,950mm)と軽い重量(136Kg)、重心が低いこと、幅広でバランスをとりやすい(コントロールしやすい)テーパーバーハンドル、アクセルの開けやすいスムーズなエンジン、ウインドスクリーンが体にかかる風圧を防ぐ、リアに重量が集中してるスクーターなのに前輪にも接地感があることなどが関係しているのでは。

ADV160に限らずの話かもしれませんが、フロント荷重が気になっていた昔のスクーターのイメージしかないわたしにとって、スクーターをあまり意識せず走れるため、意外にも高評価でびっくりといったところ。

一つ残念なのは、ここまで乗りやすくてキビキビひらひら走れるなら、もうちょっと最低地上高があれば良いのになと思いました。

くるりと引き返せる楽々なUターン

ADV160のハンドル切角
ハンドルを左に最大限切ったところ。

また、250ccのスクーターと比べて、コンパクトな車体とハンドル切角がオフ車並みに46度(CRF250L:45度/MT-07:35度)もあり、狭い道路でバイクを寝かさずとも楽にUターンできる。

わたしは、よく道を間違えて引き返すので、狭い場所でも転回できるのは非常に助かります。それに、軽い車体もあって狭い車庫から出しやすいんですよね。

ただ、ハンドル切角が大きいのはいいんだけど、ミッション付きのバイクと違ってお腹の前にタンクがないので、事故った時に腹に刺さりそうでちょっと怖いかも…。

ウインドスクリーンで風の強い日も楽

ADV160のウインドスクリーン

「ウインドスクリーンついていたら走りにくいんじゃないの?(曲がりにくいとか?)」と勝手に思い込んでいて敬遠していたのですが、全然そんなことはなく、いいですねこれ…。

たとえば、オフ車のCRF250L<S>やDR-Z400Sはパワーと重さ(どちらも141kg)でバイクだけが風圧に負けない感じ。対して、ADV160はウインドスクリーンで走行風と自然風を押し除けて人が楽な感じ。

CRF250L<S>は、風圧が体にまともに当たるので長時間乗ると疲れてきました。

対してADV160(ウインドを上げた状態)は、身長173cmのわたしだとウインドスクリーンが首元ぐらいまで風を防いでくれます。胸から下は風圧の影響を受けにくいのでずいぶん楽に走れます。目的地に着いた時の疲労感がCRFとはぜんぜん違います。

(といっても、CRF250L<S>はオフ車にしてはかなり楽な方です)

また、ウインドスクリーンは、寒さも少し和らげてくれます。

吹きっさらしの湖岸道路(琵琶湖)や木津川の河川敷を走った時は、特にウインドスクリーンのありがたみを感じました。走行中も走行後も疲れ方が全然違ってきます。

横風には弱いですね。

MEMO

ADV160は足が車体に隠れているので、風の影響を受けにくくそれほど寒くならないだろうと考えていました。

しかし、気温10度前後の中を30分も走ると、ジーンズ+タイツ2枚をはいてもほとんど役に立ちませんでした。また、革靴なのに足首から下も冷え冷え。

寒い日のツーリングは、ジャケットだけでなくパンツと厚い靴下も防風防寒が必須ですね。


とにかく、どんなシチュエーションでも扱いやすいから乗りやすい。バイク二台持ちなら、これしか乗らなくなるのでは?というぐらい気軽に乗れてしまいます。

ADV160のエンジンは扱いやすくてよく走る

ADV160の「eSP」+エンジン
水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒エンジン。最高出力16ps/最大トルク1.5kgf.m。
(画像引用:HONDA>ADV160>走行性能より)

ADV160は、ゆっくり発進し40Km/hぐらいでずっと街中を走ると、走り出しが少し重い125ccぐらいのバイクって感じ。しかし、発進時からアクセルを多めに開けていくと156ccなりのトルクを感じて力強くスムーズに加速していきます。

6000回転あたりは、一瞬、250ccのバイクと勘違いしてしまうぐらい余裕と元気さがあります。

ADV160は、多少ラフなアクセルワークでも問題なし。ミッション付バイクと違ってアクセルワークにスクーターらしい(わずかですが)ラグがありますが初速からフラットなトルク感があるのであまり気にならない。アクセルを回せば出だしから速く走れます。

中低速域で、そのわずかなラグと適度なエンジンブレーキを利用しながらアクセルを閉じたり開いたりして、キビキビと走るのが楽しい。エンジンは高回転域を使ってるようだけど。

ちなみに、エンジンブレーキはスクーターだから全然ないと思っていたのですが、そんなことはなく走行に十分使えるエンジンブレーキでした。

そして、2バルブエンジンだと高回転にいくほどエンジンが頑張っているのがわかってきます。でも、ADV160は水冷式の4バルブエンジン。加速力は80Km/h台ぐらいまで余裕にあるので、快走路でも不満を感じることはまずないでしょう。

中低速域の登坂能力は十分あるのですが、登坂車線があるような長めの坂道では「ちょっとアクセル開けるか」って感じで250ccと比べると非力さを感じます。

琵琶湖の湖岸道路をADV160で走る
琵琶湖の湖岸道路。交通の流れが速いけどADV160ならヘッチャラです。

気がかりなのは、125ccに毛が生えた程度の排気量なのに、(登坂を除いて)250cc単気筒バイクのようによく走るエンジンだということ。

しょせんは156cc。ツーリングで流れの速い快走路や高速道路を毎度毎度走っていたら、メンテをしっかりしててもへたるのは早いだろうなあと。

燃費は思ったよりも伸びない?

画像:ぱくたそ より

ADV160の燃費消費率はWMTCモード値(1名乗車時)で42.5Km/L。

通勤と近所を走って33.5Km/Lくらいでした。

ツーリングで朝9時から夕方6時まで観光しながら快走路メインの下道を300Kmほど走ったら、燃費は41Km/Lくらいでした。ADV160の燃料タンクは8.1L入るので、ツーリングなら一回の給油で332Km走れる計算になります。

※どちらも12月。気温10度前後。

他の方のレビューを見ると、通勤とツーリング共にともっといくかと思っていたのですが…。

管理人

ツーリングではCRF250L<S>で同じ道を同じような速度で走って40Km/Lいったので、ちょっとショック…。

ADV160の上下サスペンションは価格なりの性能

ADV160のフロントサスとタイヤ
サスペンションは、フロント130mm/リア110mmのストローク量。
(画像引用:HONDA>ADV160>走行性能より)
ADV160のリアサス
リアのリザーバータンク付ダンパー。
(画像引用:HONDA>ADV160>走行性能より)

スクーターにしては前後サス共にストローク量があり、リアサスには安定した減衰力を得るためにリザーバータンク付ダンパーを採用しています。

しかし、それでも乗り心地は硬い。サスがしっかり動いて路面の凸凹をいなしているのがわかります。それでも衝撃をくらう感じ。

わたしがオフ車メインで乗ってきたせいか余計にそう感じるのかも。「腰大丈夫かな…」と最初はかなり不安でした。

しかし、最近は慣れてきたようで構えて乗るようになったのか、大きな段差でない限りそれほど気にならなくなってきました。

ただ、これまでオフ車で走っていた山道をADV160で走ると「こんなに凸凹だったのか!」とやっぱりオフ車ってすごいなと思いました。

山道
ずっとオフ車に乗ってきたのでオフ車のつもりで走ってたら、円形の凹みでADV160がミシミシバリバリと音を立てながらちょっと浮きました。山道はゆっくり走った方がいいですね。

とはいえ、直立姿勢のポジションは椅子に座ってるようで楽だし、シートがいいのかツーリングで300Kmほど走っても腰もお尻も痛くなりませんでした。オフ車の場合は股関節がきつかったのですがADV160のシートはいっさいそれがなし。

ADV160は、路面の凸凹がきついとはいえ本当に疲れにくいバイクですね。

というわけで、サスは価格なりで、しょせんはスクーター(の構造)だからしょうがないかなって感じ。モノサスだったら違ってくるのかな。

ADV160の溝のあるノーマルタイヤに関しては、これまでオフ70%以上のブロックタイヤばかり履いていたのでなんとも言えませんが、グルービングされた道(排水のために細かな溝がある道)はブロックタイヤよりグネることなく安心して走れました。

濡れた路面
前日の雨で濡れたままの路面。真ん中の白い矢印?で後輪が一瞬スルッと滑りました。HSTCは働いていない模様。
いつもは滑ったことのない場所だったのでちょっと油断してました。

トラコン(HSTC)も装備してますし、足回りはこのクラスにしてはいい方ではないでしょうか。

ADV160のハンドルは街中では低すぎて乗りにくいかも…

ADV160用のハンドルバーライザー
ハンドルバー ライザーを装着しハンドル位置を高くした。(反対向けに取り付けています。)

ADV160は、剛性が高くハンドルのしなりが微振動や衝撃を制御してくれるテーパーバーハンドルを採用。

一つ気になったのは、直立の乗車ポジションなのにハンドルの位置が低すぎて遠いこと。

わたしにはカーブや交差点の右左折や細かな動きがやりにくいと感じてしまう。曲がるのに車体を傾けたり、ハンドルを切ったりするのがやりにくい。(オフ車ばかり乗ってきたのでリーンアウトで乗ってるせいかも?)

「ガンガン走るぜ!」と前のめりの姿勢で気合が入っている時はこの高さでもいいと思うのですが、普通に乗る分には合わない。

それに、低いハンドル位置のせいで手首に角度がついてしまって、1時間以上乗っているとアクセルを回す右手首が痛くなる。

どうしたものかと、ネットで調べていたら『ハンドルバー ライザー』というハンドルの位置を手前にし高さを上げる商品があったので購入。

正規の取り付け方だと手前に来すぎて操縦安定性が悪くなるように感じたので、高くだけなるように反対向きに取り付けたところポジションが楽に。(もう少し手前ならなおよしだったのですが)

結果、停車からの右左折や走行中のカーブで車体を寝かせやすくなり、市街地ではキビキビ、ちょこまかと走れるようになりました。

とくに、車体との一体感が生まれて停止状態からハンドルを切ってのUターンがしやすくなりました。

あとは耐久性があれば。もし、ハンドル位置が遠くて低いと感じているなら一考してみては。

ADV160のヘッドライトは暗い…

ヘッドライトが眩しい暗い山道
街灯のない快走路。対向車の眩惑もあって肉眼では道がほとんど見えてません。手前がカーブだとギリギリわかる感じでした。
※ドラレコの映像なので画像全体が均等に明るくなっています。

わたしがADV160に対して数少ない不満点が暗いヘッドライト。照射範囲は広い方だけどローもハイも光量が足りなさすぎ。

でも、ノーマルでも車検を通らないといわれていたDR-Z400Sよりかはじゅうぶん明るい。

夜中にカーブの多い知らない道を車の流れにのってハイペースで走ったのですが、光量が足りなさすぎてカーブの入り口がわかりにくい。

また、2〜3台自転車を追い抜きましたが、近くに来るまでほとんどわかりませんでした。

夜は知らない道を走らないか、補助ライトをつけた方がいいでしょうね。

ADV160は硬いブレーキと前輪のみのABS

ADV160ののフロントディスクブレーキ
(画像引用:HONDA>ADV160>走行性能より)
ADV160のリアディスクブレーキ
(画像引用:HONDA>ADV160>走行性能より)

コストダウンだと思いますがPCX160と同様にABSはフロントだけ。でも、不整地を走るなら後輪にABSがあると邪魔になるだろうからこれでいいのでは?

それと、気になるレベルではありませんが、十分な制動力はあるんだけどブレーキレバーを握るのにちょっと力がいる感じ。硬い。それに細かなコントロールは苦手かも。(わたしがフットブレーキに慣れきっているので、感覚をまだつかんでいないだけかもしれません)

それから、前後とも見た目がかっこいいウェーブディスクですね。軽量化を狙えるので好きなパーツです。

総評:ADV160は『楽』で『楽しい』からいつまでも乗ってられる

ADV160と大仏鉄道遺構前
大仏鉄道の遺構前
いいところ
  • どんなシチュエーションでも乗りやすい
  • 扱いやすくてよく走るエンジン
  • 楽々なUターンと取り回し
  • 長時間乗っても疲れにくい
イマイチなところ
  • 上下サスペンションは価格なりの性能
  • 1時間ぐらいで右手首が痛くなってくるハンドルの位置
  • 照射範囲は広いが光量が足らないヘッドライト
  • 硬いブレーキと前輪のみのABS

ADV160は、通勤でもツーリングでもちょっとした散策でもなんでも『楽』にこなせる。

たとえば、適度なサイズと軽い車重なので車庫から楽に出せる。ハンドルが切角が大きいので道を間違えた時に引き返すのが楽。クラッチ操作がないから左手が楽。短時間でも長時間でも乗車姿勢が椅子に座ってるようで楽。ラゲッジボックスのおかげで荷物を背負わなくていいから楽。ウインドスクリーンのおかげで風が胸に当たらないから長距離走行が楽。

また、乗っていて『楽しい』

たとえば、右左折の多い街や郊外の快走路でもストレスなくキビキビ走れる扱いやすいエンジンとコントロールしやすい車体サイズだから(わたしのように)下手でも乗ってて楽しく走れる。

スクーターっぽくない乗り味なので、中低速のワインディングで意のままに走らそうと思って運転すれば十分面白い。ただ限界は早いかな…。

運転が上手な人には物足りないかもしれないけれど、わたしにとっては身の丈に合ったバイクなのかも。

『楽』で『楽しい』から、どこまでもいけそうと思うし、ちょっとの距離でも乗ろうと思ってしまう。

河川敷の快走路
ADV160は手軽に乗れるしラゲッジボックスあるので、遠くのスーパーへ買い出しに出かけた帰り道。

なんというか、ADV160に乗っていると昔乗っていた2ストオフロードバイクDT230LANZAを思い出しました。

ジャンルもそうですが走りやパワー(LANZAは40馬力3.7トルク)などまったく違うのですが、手軽さ、乗りやすさ、扱いやすさ、キビキビ(機敏な/こまわりが利く)ひらひら乗れるところがよく似てる。そして、どちらも楽しい。

そういえば、ADV160とDT230LANZAはどちらも125でも250でもない中途半端な排気量だし、どちらもトラコンついてるんですよね。

というわけで、前後サスが硬いとかライトが暗いとか不満もあるのですが、長く乗れる一台になりそうです。

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