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『打ち上げ花火 下から見るか? 横から見るか?』アニメ版の感想と実写版との比較【映画/感想/ネタバレ】

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

アニメ版が面白かったので、元になった原作映画を続けて見たのですが、

これ、ずいぶん前に見たわ…。

20年ぐらい前ですかね。ひょっとしたら、ドラマの方かもしれませんが、テレビで見ました。

すっかり忘れていたということは、当時は面白いと感じなかったのかな? 今あらためて見ると、よくできた秀作って感じですね。

ネットでは、実写版を知っている人の評判がすこぶる悪いようですが、どちらも素晴らしい作品なので、両方見なければ損だなと思いましたよ。

というわけで、アニメ版のあらすじと感想、実写版との違い、そして最後に、アニメ版で戸惑ったことを書いて締めたいと思います。

ネタバレ注意!
  • 以下、ネタバレがあります。
この記事の内容

アニメ版のあらすじ

夏休み、とある海辺の町。

「打ち上げ花火は、横から見たら平べったいのか?」

そんな話で盛り上がるクラスメイトをよそに、主人公・典道が思いを寄せるヒロイン・なずなが転校することに。

そして、花火大会の当日、なずなは、典道を誘って家出しようとしますが、母親に連れ戻されます。

典道は、なずなが落としていった不思議な玉の力を使って、彼女が連れ戻される前の時間に戻り、彼女を助けようとしますが…。

アニメ版の感想:「念い」があなたをつき動かす

みんなの「念い(おもい)」(気持ちや強い意志・信念・願望)のかけらが空から降ってきて、雪のようにはかなく消えていくシーンから、なずなが典道の元を去るまでが、アニメ版のクライマックスになります。

そこでようやくこのアニメ版のテーマというかメッセージを勝手に理解しましたよ。全部繋がった! って感じで。

それは、「念い」があなたをつき動かすということ。

だから、あなたは「念い」を大事にしなければならない。

大事にするとは、勇気をもって「行動」すること。「行動」をせずに後悔しないこと。

そしてその「行動」は、偽りなく、誠実で、精一杯なものでなければなりません。

そうであれば、人生の中で、パッと咲いてすぐに消える打ち上げ花火のように儚いかもしれないが、美しくて素晴らしくて大切な瞬間に幾度となく巡り合うことができる。

とまあ、こんな感じで、わたしの想いも入っちゃってるかもしれない(汗)ちょっと長いメッセージですが、若い人に見て欲しい映画だなと思いました。

絵もそんな感じですし。

「次に逢(あ)えるは、どんな世界かな、楽しみだね」

なずなは「次に逢(あ)えるは、どんな世界かな、楽しみだね」と言って、典道より一足先に現実の世界へ戻っていきます。

でも、なずなは、次にまた逢えるとは本心では思っていないんじゃないかな。

おそらく、自分自身の転校のように、念いだけでは、どうにも出来ないことがあるという事を彼女は知っているのでしょう。

そうであって欲しいという気持ちと、典道を思いやる気持ちから出た、やさしい別れの言葉だと思います。

町から出る電車の中で、夢見る少女のように振る舞った彼女ですが、それでも典道よりは大人ですから。

補足しておくと、典道はそれがわかってないと思います。

それから、このシーンは、女の子は男の子を残して一足先に大人になっていく、といった対比をよく表している描写ですね。わかりやすい。

夏の終わり

エンドロール前、始業式の日に先生が教室で出席をとっているシーン。

なずなの席が空いているのは、転校したからだとわかります。では、典道の席が空いているのはなぜ?

おそらくそれは、観客に余韻を持たせる、観客のみなさんで考えてね、という演出だろうと思います。

ポジティブに考えて、典道が自分の気持ちに整理をつけるために海に寄ったと考えたいところですが、わたしは、ネガティブな方を推しておきます。

夏は否応なしに過ぎ去ろうとしていますが、典道の心はまだ整理がついておらず、まだあの夏の日にとどまっているのではと推測しています。

男の子は、初恋の女の子のことを忘れられないのですよ。

気持ちの整理は完全にはつけられないでしょう。そうしながら、男の子はちょとずつ大人になっていくわけです。

ナズナとは

春の七草のひとつ。名前の由来は、夏に枯れることから「夏無(なつな)」、撫でたいほど可愛いから「撫菜(なでな)」など諸説あり。

別名は、ぺんぺん草。シャミセン草。

DAKO✖️米津玄師 さんの『打上花火』が良かった

ラジオで何度か聞いたことがあったのですが、この映画の主題歌だったのですね、知りませんでした。

映画を見た後にこの曲を聴くと、じんと来るものがありましたよ。この曲のために映画を見てもいい感じ。

実写版との比較。実写版は大人のもの。アニメ版は…。

私が感じたのは、実写版は大人向け。アニメ版は青少年向け。どちらも男の子視線で物語が進むといったところ。

実写版は、大人目線で見るノスタルジックなストーリー。男の子は女の子に戸惑ってガキのまま。女の子はどんどん大人になっていく…。

あの頃特有の男女の「壁」を見事に表現していて、大人は子どもの頃を思い出し、切なくなってくる感じ。

対してアニメ版は、青少年へのメッセージ。

「念い(おもい)」(気持ちや強い意志・信念・願望)だけでは、人生は何も変わらない。後悔しないためにも「行動」することの大切さや勇気を子どもたちに教えてくれる感じ。

というわけで、実写版とアニメ版とでは、映画の見方が変わってくると思うんですよね。

アニメ版はわかりにくい映画だった…

アニメ版に出てくる「もしも玉」は、もしもの世界(SFでいうと並行世界)に移動するためのもので、現実世界の時間を巻き戻す道具ではありません。

だって、主人公は「もしも〜だったら〜」とか言いながら(念いながら)、もしも玉を投げる(使う)わけで…。

ですから、ふつうのタイムリープ(時間移動)ものだと思い込んで映画を見てしまった人は、ちょっと混乱しながら、いちいち理解しながらの鑑賞になったのではないでしょうか?

わたしがそうです。

それに、情報量が多いようで少ない。ノベライズを読まないと分からないことが多々あるようで…。

おわり

というわけで、Amazonプライムでアニメ版をみたわけですが、「劇場で見たらよかったな」と、ちょっと後悔。

わたしは高評価なのですが、低評価な人のレビューを読むと、その通りだなとも思います。

観客が、ストーリーを色々と補完しながら見ないといけないんですよね。ちょっと面倒。

では、最後まで読んでくれて、ありがとうございました。

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